フッ素で虫歯予防

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1.どうしてフッ素でむし歯予防ができるのですか?



 フッ素には歯の質を強くする効果と、むし歯の原因菌が酸を出すのを抑えるという2つのむし歯予防の作用があります。ですから、相乗効果でむし歯ができる確率を減らし、さらには出来てしまったむし歯の進行を抑える作用があります。
 もう少し詳しく説明すると、歯が生えてすぐ、表面のエナメル質のハイドロキシアパタイト結晶がフッ素に触れると、フルオロアパタイト結晶に変わります。フルオロアパタイト結晶は見た目は同じですが、酸に溶けにくく、虫歯にもなりにくいという性質があります。また最近では、フッ素には小さいむし歯の部分にカルシウムの結晶をつくり、初期の虫歯を治してくれる「再石灰化作用」という働きもあることが判っています。

2.フッ素を使うにはどんな方法がありますか?


 日本ではフッ素塗布、フッ素洗口、歯磨き粉へのフッ素添加が使われていますが、外国では水道水のフッ素量を適正に調整する方法も使われています。

 これらの方法で、効果が高い順番にならべると

水道水のフッ素量適正化>フッ素洗口>フッ素塗布>歯磨き粉

という順番になります。

 いちばん効果が高い水道水のフッ素量適正化は、日本ではいくつかの自治体で準備に入っている段階でまだ実施されてはいません。この方法は世界中で広く利用され、約60ヶ国、3億6千万人以上の人々のむし歯予防に役立っています。米国では1万の地域の1億4千5百万人が利用しています。

 フッ素洗口は比較的低濃度のフッ素水溶液を用いて、ご家庭でうがいをする方法です。WHOの勧告では全量を飲み込んでしまう可能性のある低年齢児には薦められないとあります。フッ素洗口の応用は一概に何歳からというのではなく、それぞれのお子さんによって発達の段階がちがいますので、ご家庭で保護者の方の監督のもとにきちんと実施されるのであれば4歳前後から始めることも可能であると思います。低濃度のフッ素溶液を歯ブラシにつけて磨いたり、フッ素のスプレーを使うのも良い方法かもしれません。

 フッ素塗布は比較的高濃度のフッ素製剤を直接塗布または歯の形にあわせたトレーを使って歯に行き渡らせる方法です。高濃度のフッ素を用いるため、必ず歯科医師や歯科衛生士によって塗布されなくてはなりません。

 歯磨き粉へのフッ素の添加はいちばん一般的な方法で、フッ素の入っていない歯磨き粉を見つけるほうが難しいかもしれませんが、通常の磨き方では実はあまり効果は期待できません。

3.フッ素利用は、いつから始めて、いつまで続ければ良いのでしょうか?


 フッ素は生えてきて間もない歯に使うと一番効果的です。乳歯は生後6ヶ月から3歳半頃まで、永久歯(親知らずは除く)は4歳頃から中学3年生頃までに生えてくるから、その時期に使うと一番効果があります。また、中学生までフッ素うがいを続けた子は大人になっても虫歯が60%も少ないという研究が日本で発表されています。でも、最近では、大人の歯の根面のむし歯にも20〜30%の予防効果があるという研究報告もありますし、フッ素の利用は一生続けたほうが良いと言われています。

4.フッ素でうがいをしても危険性はないのでしょうか?

 どんな薬でも、また、たとえ食物でも一時期に大量に摂取すると体に害を及ぼすことがあります。

 フッ素は体重20kgのお子さんでは急性中毒量(大量に摂取して吐き気がしたりする量)は40mgですが、一回分7ccのフッ素量は1.75mgしかないので、間違えて一回分のうがい液を全部飲み込んでしまっても中毒をおこすことはありません。しかし、不必要な量のフッ素を摂取し続ける事を避けるために吐き出す事を確認してください。また、液を吐き出した後、口のなかに残るフッ素の量は、お茶1〜2杯分に含まれるフッ素の量と同じですので、うがいに関して問題はありません。ぶくぶくうがいをして吐き出す事ができないお子様のためには歯ブラシにうがい液をつけて磨く方法もあります。

誤って飲み込んでしまった場合の対処法はこちら

5.フッ素うがいはいつすればいいのでしょうか?

 洗口前には必ず歯ブラシできれいに歯磨きをしてください。歯の表面にばい菌が作るバイオフィルムがあるとフッ素の効果が十分に発揮できないかもしれません。

 フッ素洗口をしてから約30分以内に飲んだり食べたりすると、フッ素の効果がおちてしまいます。ですから、洗口後約30分間飲食を避ければ一日のうち、どの時間にフッ素うがいをしても結構です。唾液の分泌量を考えると、できれば寝る前に歯を磨いてからフッ素うがいを行うのが一番効果的かもしれません。

6.フッ素うがいはどのようにして始めればよいのでしょうか?

最初にうがい液を作って保存するための容器と1回分のうがい液を計量するカップが必要です。容器はきちんと密閉できるものであれば他のものでも大丈夫ですが、ガラスの容器は使えません。ミラノール(フッ素の粉末)は1包を200ccの水に溶かすとちょうど良い濃度(約200ppm)になるように調整されています。費用は最初は容器が300円、ミラノールは半年分9包で1220円です。

 
1回の使用量

年齢 標準用量 200cc容器での目安 一日の費用
3〜4歳 5ml 40日分  
5〜6歳 7ml 28日分  
小学生以上 10ml 20日分  

調整法

200mlの専用容器にミラノール顆粒1包を入れ水道水(アルカリイオン水不可)を加え軽く振り混ぜ洗口液を作ります。とても簡単ですが、正しい濃度になるように保護者の方が調製してください。

使用法

 

@歯ブラシでしっかりとお口の中をきれいに磨いてください。
A適量を口に含み30秒間ブクブクうがいをします。30秒たったら液を吐き出し、その後30分間飲食を控えます。

保存法

残りの洗口液は冷蔵庫に保管してください。夏場に室温で放置しておくと水が腐ります。

使用前に歯科医師等の指導が義務付けられています。

7.フッ素スプレーについて教えてください?

レノビーゴ

フッ素イオン配合のスプレーは商品名:レノビーゴとしてゾンネボード薬品株式会社から販売されています。子供も大人も使用可能です。ほとんど無味無臭ですが、わずかにレモンの香りと甘味があり、さわやかな使用感です。

 容器は35ml入りで約2ヶ月分となりますので、ミラノールよりやや割高ですが携帯には便利ですので、我が家でも旅行中にはレノビーゴを使っています。

 6歳児の急性中毒量で計算すると11本以上一気飲み?しない限りは大丈夫ですが、かならず保護者の方の監督の元に使用してください。

効能・効果

@虫歯の発生及び進行の予防
A歯周病(歯槽膿漏)の予防
B歯肉炎の予防
C歯を白くする

成分

フッ化ナトリウム・グリチルリチン酸ジカリウム・安息香酸ナトリウム・香料
(フッ素濃度100ppm 1回に10噴霧してフッ素0.02mg)

使用法

@まず、歯ブラシと歯磨きを使ってよく歯を磨き、汚れを落として口をすすいで下さい。
A次に歯ブラシにレノビーゴを適量(1回の使用時10吹前後)吹きつけて、歯のすみずみに行きわたるように歯ブラシで磨いて下さい。
Bすぐに口をすすがないで、少しの間を置いてから水ですすいで下さい。

詳細につきましては担当の歯科医師、歯科衛生士までお尋ねください


誤って洗口液や顆粒を飲み込んでしまったら

まず落ち着いて飲み込んだ量を確認してください

 ミラノールの袋には劇薬と記載してありますが、これは水に溶かす前の濃度での適用です。指示通りに水に溶かしたフッ素洗口液は普通薬の扱いになります。落ち着いて飲み込んだ量を確認してください。

取り分けた洗口液を全部飲み込んでしまった場合

 フッ素洗口液のフッ素濃度は250ppm(0.025%)ですが、これを7〜10cc専用のコップに取り分けた場合、この中には1.75mg〜2.5mgのフッ素が含まれています。この液で30秒間うがいをして吐き出した後、実際に口に残るフッ素は7ccで0.26mg、10ccで0.38mg程度です。この量については全く問題がありません。

 これを全量飲み込んでしまった場合、化学物質による急性中毒(吐き気がしたり、下痢をしたりする)の発現量は体重に比例します。フッ素の急性中毒発現量は体重1kg当たり2mg以上のフッ素を一度に飲み込んだ場合(2mg/ kg)とされています。各年齢群の若い方の年齢の平均体重から急性中毒発現量を計算すると36mgとなりますが、実際に飲み込んだフッ素の量はその1/20程度と少ない計算となりますので心配はありません。

年 齢 洗口液量 フッ素量 平均体重 急性中毒発現量
5〜6歳児 7cc 1.75mg 18〜19Kg 36〜38mg
7歳児 10cc 2.5mg 24Kg 48mg

誤って顆粒を食べたりフッ素洗口液を大量に飲み込んだりした場合

 まず、応急的に牛乳を服用(100cc以上)させてください。次に飲み込んだ物の種類と量と症状(嘔吐、腹痛、下痢)を確認し、小児科や救急病院などを受診してください。

 飲み込んだ量と症状の予測は下記のとおりですが、念のため医師の診察を受けてください。

年 齢
種 類
飲み込み量
フッ素量
急性中毒発現量との比較
症状予測

5〜6歳児
(体重18〜19Kg)

フッ素洗口液
(ミラノール顆粒)
200cc(1包)
50mg
ほぼ1.5倍
中等度
5〜6歳児
(体重18〜19Kg)
フッ素洗口液
(ミラノール顆粒)
100cc(半包)
25mg
ほぼ0.7倍
軽 度

ちなみにフッ素の推定致死量は体重1kgあたり40−45mgですので、体重18kgの小児では720mgとなります。たとえ1包分を全部飲み込んでしまっても、即座に命に係わる可能性は低いと考えられます。落ち着いて対処してください。

 
フッ素によるむし歯予防関係のホームページのご案内

水道水フッ素化と虫歯予防

宮崎県地域保健活動推進協議会     

富山県歯科医師会

山本武夫先生のホームページ

長崎フロリデーション協会

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